ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

ある朝突然に−夏ってどうして身体が重いの−

0630起床。枕元の携帯が明滅していて、深夜友達から電話があったみたい。頭を動かすと何となく重い。身体もどんよりしている。
ひとつひとつのパーツを確かめるように段々と動かしていく。しばらく寝かせていたバイクを動かすとき、可動部をひとつひとつチェックして、グリスアップしてあげるみたいに。まず腕。大丈夫、普通に動く。伸びをする。それからストレッチをする。ベッドの上に上半身を起こし、背中の筋肉のカーブがナイフみたいなシェイプであるようにイメージしながら背筋を伸縮させる。大丈夫、普通に動く。
ベッドから降りる。脚。ゆっくりと屈伸してみる。大丈夫、普通に動く。
リビングに行くと、散らかっていてうんざりする。今週末はこれを何とかしよう、と思う。とりあえずアジアンタムに水をあげる。水を吸い込んで土が音を立てる。1年前、青い枝が1本だけしかなかったとは思えない元気な様子。ゼンマイみたいな芽がすごい勢いでたくさん出ている。満足。
夏は身体が重い。夏になると訪れるこの憂鬱な感触は子供の頃からだ。だるさをはね除けて、きびきび動くと、重かった石が突然取れるみたいにハイになることを、僕は小さい頃からの経験で知っている。何十回過ごしても変わらない夏の実感が、今年は8月も終わりになってやってきた。やっぱり夏は、来ていたんだ。