風には夜露の湿り気が混じっていて、初夏の香りがする。広い駐車場の真ん中に水銀灯が円錐形の明かりを投げかけていて、それに照らされてうずくまる深夜高速バスは週末の客を満載している。 東北から東京に戻ったのはこの春のこと。板橋物置部屋は手狭で(何…
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