ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

累積滑走日数11日。

尾瀬岩鞍。レガシィを飛ばして8日早朝入り。「がんもどき」に逗留。以前は冬が書き入れ時だったのに今は夏の学生の合宿頼みの経営だ、という主人の愚痴から、ああやっぱりスキー業界って冷え込んでるんだな、と実感。まあ、リフトが混まないのは有難い。
昼間は丁寧にコブ斜面の練習をし、16時にあがった後は部屋に篭る。読書しながら、たまに部屋の窓の外につるしたビールを引き上げて開け、テレビを見、綿入れで懐手しながら窓の外にしんしんと降りしきる雪を愛でる。レガシィもみるみる雪の塊になり、すでにして風景は立派な雪国の様相を呈している。
遠く家を離れて過ごすこういう時間、贅沢のきわみである。「あぶらつぼ」にせよ、ここにせよ、非日常のなかで日常を提供してくれる場所を確保できている自分は幸せだ。違和感の中の安心感というか、しっくり感がたまらなく心地よいのである。
9日は佐倉君が優雅と親戚の子を連れて遊びに来る。村田美名の旦那のまーくんも来て、昨日のひとり状態から一挙に年始の華やいだ雰囲気になり、こちらは出迎える田舎の親戚の気分で、旅館の玄関に綿入れを着たまま正座して挨拶する。
「何でそんなに溶け込んでるのよ」と佐倉君。
僕は手にしたスポーツ新聞をしごきながら、だらしなく欠伸してみせる。いたずら好きな僕の、例のしっくり感はますます加速している。
10日はまた一人になり、ひたすらぶなのきコースでコブ練。佐倉君に見てもらったところ、右足荷重に頼りすぎて左足への切り替えがなおざりになっているとのことだったので、左へ載荷するタイミングを早めるように意識する。