ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

Sign of summer

整理中にしばらく聴いてなかったCDが出てきて、思わず聴いてしまい、ついでに歌詞を訳したりしてみてしまう。この連鎖反応的時間つぶしの癖は部屋掃除やら引っ越し準備やらの大敵で、でも不思議とこういう時って没頭してしまう。

翻訳家のつもりになって1曲やっつけてみました。以下掲載。著作権のこともあり原詩は載せません。
海岸を歩く/砂が暖かい/ちょっと喉がかわいてちょっとクレイジーになってる/幸せになることだけ目指している私/いつか今日を懐かしく思い出すのでしょう

いま見ているこの陽の光を/私に触れさせてください/生きている感触が欲しい/時々、何でここにいるのかわからなくなるの/いつも、どこにいてもあなただけ愛してる

夏のサインを探すの/暮らしと喜びのデザインを見つけるの/夏のサインを探すの/ねえ、未来へのトビラは開けそう?

夏のサインを探すの/暮らしと喜びのデザインを見つけるの/夏のサインを探すの/ねえ、夏の準備は大丈夫?

砂に座って/空に吸い込まれる/ちょっとハイになってちょっと感謝の気持に包まれてる/今まで過ごして来た日々を忘れたくない私/きっと今日を懐かしく思い出すのでしょう

いま見ているこの夢を/私につかませてください/夢をかなえる感触がほしい/時々、何であなたに会ったのかわからなくなるの/いつも、どこにいてもあなただけ愛してる

これ、i-depの"Sign of summer"です(えー?)。翻訳家ってエライと思います。こういうの実際やってみると。
原曲はすごく可愛らしいポップ・チューンです。ここで試聴できます。(アルバム"Super Departure"の2曲目)おっかしいなあ、さわやかさとか期待感とかふわり/軽々とした感覚がばっさり落ちてしまっている(おかしくない。単純に翻訳能力の問題です)。
歌詞の内容はこんな感じ。
季節はこれから夏になろうかというある晴れた休日、海岸を散歩する男の子と女の子。他愛ない会話をしながら、夏の兆候を探している。女の子は心の中で恋している感覚をかみしめている。で、きっとこれから一緒に暮らそうと思っている。もしかしたら結婚を考えているのかもしれません。ちょっと不甲斐ない男の子のプロポーズを待っているのかもしれません。あるいはプロポーズされた瞬間なのかな。もしくは昨晩一緒に暮らそうとか言われてすごく盛り上がった次の日の朝の情景とか。とにかく恋愛にすごく前向きな内容。
以下翻訳していたときのお話。作業に先立って原詩からイメージを作り上げておくわけです。そうすると内容がぶれづらくなるので、そういう準備は有効なんですね(訳詞家気取り)。
i-depナカムラヒロシはロンドンで活動していたから、英国に場所を設定します。英国というと霧と雨とnorth marineとか、そういう憂鬱そうな風景を連想するけれど、まあ晴れなわけ。僥倖的に。久しぶりの晴れ間が夏を待ちわびる人たちを外に誘うような、そういうある日の北海沿いの海岸がステージです。そこに男の子と女の子を据えてやる。年の頃24歳くらいの、そうだな、イメージはでもやっぱり日本人なんです。歌っているのがCanaちゃんっていう日本人の女の子(声がラブリー)なんだから。普通の感じの、イメージで言うとはなちゃんの灰汁を抜いてスクエアにした感じ。若い八木亜希子とか(ん?)。男の子は若いスガシカオみたいな感じの(んん?)。良いんですイメージさえ作れれば作業ははかどるんだから。それが二人でビーチコーミングしてるわけ。Looking for a sign of summerとかいいながら。スガシカオには当然のようにダーク系のステンコートとか着せます。襟立てます。でベルボトムのピンストライプのパンツとか履かせる。初夏とはいえ北海沿いだ。晴れれば放射冷却現象で寒くもなる。ってことにする。だってしょうがないじゃんそうやってイメージしちゃったんだから。八木亜希子には白いフィッシャーマンズセーターを着せる。でタイトジーンズ履かせる。もう初夏じゃありませんね。きっと東京が寒いせいでこんなイメージになっちゃうのでしょう。
ここまで考えた時点でひとり大爆笑。24歳の八木亜希子と24歳のスガシカオがある晴れた休日、北海沿いの海岸でビーチコーミングて。で何か、八木亜希子が恋愛で盛り上がって一緒に暮らしましょう的妄想大爆発の思いをかみしめている横で、スガシカオアラビア文字の印刷されたペットボトルをもてあそびながら優等生的彼女である八木亜希子の白いセーターを汚してみたいとか思ってたりして。駄目だよスガ君、仕事の邪魔じゃないか。仕事じゃないって。