ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

木下先生の部屋

「先生」
「ああ佐東君ですか。まだ帰らなかったんですか。だめですよあんな風に講義を邪魔するのは」
「先生今年のバレンタインはチョコレートってもらったんですか」
「話を聞いているんですか君は」
「いいから。もらったの?」
「早く帰りなさい。先生をからかうものではありません。最近そういうのはセクシュアル・ハラスメントっていうんですよ」
「セ・ン・セ・イ?」
「君もしつこい人ですね。もらいましたけど…」
「それって、涼音さんってひとから?」
「…なんですか唐突に。君は誰かにあげたんですか」
「へへん、これからです。(ゴソゴソ)はい!」
「佐東君、あなたいちいち行動が突飛ですね。でもありがとうございます。なんで今になってから?」
「だって先生、なかなか講義にいらっしゃらないんだもの。中目黒先生に言付かって頂こうと思ったんですけど、受けて頂けなかったんです」
「どうも恐縮です。でも残念ながらお返しは出来ませんね。佐東君卒業だものな」
「14日にご挨拶に上がります。そのときにでも」
「お返しを期待するものではありませんよ」
「はーい、期待しません。それじゃごきげんよう
ごきげんよう
(中目黒君、今度会ったら殺そう)