ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

夏背広一気買い

服装に頓着しないたちである。必要となれば何とかするのだろうが、今のところさほど切迫感もないままここまで来てしまった。清潔で丈夫で、人に不快感を与えなければ芋の入っていた麻袋でも別に気にしない。と、いうのは言い過ぎだが、ユニクロとか無印とかはそういう意味でとても有り難い。没個性?しらんがな。安くてそれなりのシェイプで、色も揃ってる。Tシャツのイラストものとか、たまにチープすぎてナイスミドルであるところの僕が着るにはどうなんだろうラムちゃん柄って、とか思う時もあるが、基本猫足で外を飛び回っている時には服装はプロテクター以外の何物でもない僕にとって、過不足ないワードローブ供給元だったりする。
しかし、である。スーツはさすがにそうはいかない。仕事着だし、趣味の作務衣とは違うのである。そこは多少凝ってポールスミス(結構好き)とかバーバリーブラックレーベル(昔売り子してた)とかデパートのイージーオーダー物(かなり好き)とかに手を出したいのだが、値が張るので二の足を踏んでしまうのである。計画的にスーツの補充とか補修をしてやらないと、いつまでもずるずると3着くらいを着回してしまうことになる。そしてその着回しが等価の負荷を各スーツにかけ続けると何が起こるか?
同時期に崩壊が起こるのだ。3着全部に。
ある日朝ふと気がつくとポケットに白いゴミが付いていて、よく見るとそれは破れ目から見えた裏地だった、というのが今回の事例。それが3着続けてですぜ。もはや笑うしかない。
そこで猫足に火を入れて、急遽池袋の某パーフェクト・スーツ・ファクトリーに行くことにした。ここには駆け込み寺的にスーツとかワイシャツを買いに来ることが多い*1。もう決めているので早いこと早いこと。
「サイドベンツで細身のA7、1着はピンストライプの目立たない茶系、もう1着は黒に近い紺の杉綾、ストレート仕上げで本日裾上げ仕上がりっていう条件で見立てていただけませんか」
店員も逡巡しない客なのでありがたがっているのか不安なのか知らないが、結構きびきび動いてくれていろいろ出してくれるのが気持ちが良い。しかしね。スポーツ靴に膝丈半ズボン、上がぴたぴたのTシャツっていういでたちでスーツの大人買いってのは、我ながらいかがなものか。
裾上げが仕上がるのを待ちながら、ジュンク堂で気になっている本を数冊購入。村上春樹「IQ84」は上巻が売り切れていたので、一騒動終わってからゆっくり手に入れようと思った。
あとTowerRecordsでシナトラのベスト盤を購入。Come Fly With MeとかNew York,New Yorkとかバックバンドがゴージャスな迫力のあるボーカル物が聴きたかったので。こないだ取り上げたペリー・コモは比較的スウィートな曲が多いのに比較して、こちらはマフィアともつきあいのあったいわば清濁併せ呑む系の御仁で、迫力があって飽きが来ないんである。スーツ大人買いとの組み合わせがまた小悪党のようで面白い。スーツの生地はイタリアンだし。

レコード屋を出ると雨が降っていた。様子を見て小降りの時にスーツをピックアップして帰投。来週はバイク屋猫足を持っていかねば。