ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

こんな夢を見た。

白くて広くて、何もない部屋である。そこに風が吹いている。病院のような、生成のカーテンが翻っている。斜めに日の光が差し込んでいる。
僕はとても静かな、豊かな気持ちで椅子に座っている。隣に誰か女性が立っていて、僕の肩に手をかけている。僕はその女性と、顔を見ないまま話しているのである。何か優しい、いたわるような言葉をかけられて、僕は涙ぐむ。そして、窓の外の遠く遠くに見える山に目をやりながら、僕は答える。
「仕事、大好きです。本当に好きです」
僕はなるべく声を震わせないように、ゆっくり低く喋る。
「もうこのプロジェクトで僕が成果を出すことはないかも知れません」
「でもそれはそれとして、僕は仕事が好きなんです」
「仕事の中身じゃない。僕は未だにモラトリアムをしているのかも知れない」
「けれど自分の身の処し方として、仕事をすることが大好きなんです」

何なんだ。僕、疲レテルノカナ。