ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

髪を切る。

昨日はシゲ先生と飲んだ。したたかに酔ってしまい、今朝は身体が動かせなかった。それでもシャワーを浴びたら何とか動けるようになる。江國香織の小説に、熱いシャワーは、いつだって私の味方だ、っていうフレーズがあったのを思い出す。外はぎらぎらとした夏の日差し。こうも唐突に夏はやって来るものなのか、と、なかなか引かない汗をぬぐいながら思う。軽いシャツに腕を通し、エプロンに降りていってレガに火を入れる。とても青猫で動く気分になれないので。向かった先は例のうさんくさい美容室
僕の苦手なオーナーは今日はいなくて、スタッフの二人が迎えてくれる。
「随分伸びましたね。今日はどのくらい切りますか」
「ざっくり切って下さい。鬱陶しくて仕方ないんだ」
いつも僕の髪を切ってくれるスタッフが出してくれた経済雑誌を読む。随分と渋い雑誌を置いているんだなと思いながら。羽田アクセスの改善について微妙な表現になっている松原大田区長のインタビューとか、鳩山氏退陣の詳細とか。
この店のシャンプーはキュウリみたいな香りがする。短く切った髪をさっぱりと洗ってもらって、タオルドライする。気温が高いせいで、水気が飛んですぐに乾いてしまう。
9月に次回の予約を入れる。
帰り、近所のスーパーでフルーツとシリアルを大量に買い込む。ここは常に季節に関連する童謡のイージーリスニングアレンジといった態のBGMが流れていて、ずっと聞いていると頭が痛くなる。これを聴いて買い物客達は平和な気分になるのだろうか?あるいは子供の行事を思い出すのだろうか?サクラヤやビックカメラのBGMほどのあざとさは無い*1にせよ、いやむしろそういう意図のない惰性感が、夏の重くてぬるい大気と相まって僕をいらいらさせる。特にこのスーパーは品揃えも工夫ややる気が感じられず、店員も投げやりに働いているのが常日頃から伝わってくるので、がっかりする。

*1:あの高揚感をあおったりブランド感をすり込もうとする、変拍子アウフタクトの多用!!