ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

青猫を洗う。

都内某所の倉庫で恩田君と待ち合わせる。約束通りメンテナンス講習をするのと、恩田君が持っているティアグラのレバーシフターを青猫につけるのだ。あまり改造を施すのが好きでない僕だけれど、「あのオートマチック感は癖になるよ」という恩田君の言葉にちょっとやってみる気分になった。
全部のパーツを取り外してパーツクリーナーで洗浄する。
「汚いな。こんなに泥が出たぜ」
「通勤に使ってればこんなものでしょ」
消耗品を全部取り替えた青猫はさっぱりした感じ。ただし最後に落ちがついた。
いよいよパーツを組み付け、最後にディレイラーの調整をしていたときのこと。
「恩田君、今バキッていったぞ」
「…前シフター壊してもた」
「…ま、そんなもんだよ素人メンテなんて。気にするこたないよ」
「それはそれで腹が立つんだよな」
「知らねぇ。壊したのは君で、乗るのは僕だ」
「ゴメン」
「まあ、あまり気にしないでくれ」
そんなわけで暫く前シフターは使えないまま乗ることになった。シルバーウィークに間に合うように、修理に出そうと思う。