ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

雪は踊っている。

昨晩遅く、35日振りに東京を湿らせ始めた雨は、朝起きたら雪に変わっていた。
シャワーを浴びて、トーストとコーヒーの簡単な朝食を採り、厚手のコートを羽織って外に出た。
東京の雪は重く、水っぽい。北関東ではもっと固く軽い雪がたっぷりスキー場に供給されている筈だ。そんなことを想いながら、小走りにチューブの入り口を目指す。と、携帯にメール。木下からだ。
「あした朝5時。がんも。」
思わず笑ってしまう。木下のニヤニヤしたばんばひろふみ顔が目に浮かぶ。
明日の朝、15分くらい遅れてあいつは現れ、新年の挨拶もそこそこに関越道練馬ICに急ぐだろう。そして新座料金所までにすでに起きている事故に毒づき、年末年始に増えてしまった体重を嘆き、スネークマンショーのCDに爆笑しながらスキー場に向けて車を走らせるのだ。愛すべきマンネリズムである。
階段を駆け降りるときの体重移動モーグルの動きに似ている、と木下は言っていた。あいつ今出勤途中で私と同じこと考えているだろうな、と思いながら階段を下り、改札に向かう。
2年続けてラ・ニーニャだという。多分、仕事や雑事で細切れになるだろうけど、なるべく楽しい時間が長くなるように、できるだけのことはしよう。私達はくすくす笑いながら白いシーズンに分け入っていく。モーグル・ステップで。