ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

最初は簡単なもやし炒めのはずだったんです。

ふと冷蔵庫の奥に転がっているバターを見て、バター炒めにすればちょっと変わった味がして良いんじゃないかと思ったのが間違い。大さじ1.5杯分。分量を間違っていたかもしれない。何だかエノキダケのバター炒めみたいな味になりそうな気がしていたのだった。肉が食べたい気分だったので豚バラ肉を120グラム投入。エノキダケのイメージがあったので生椎茸スライスを3つ分。コンロの横に散らかっていたニンニクひとかけをスライスして投入。溶き卵を2つ分用意して、クレイジーソルトを小さじ1杯分。最後に余熱で溶き卵をふわふわに。
食べてみて思ったね。バタ臭いとはこのことだ。甘ったるい匂いがどこまでもどこまでもどこまでも付いてきて、煩いことこの上ない。リカバーを考える。臭みを消すには何が良いだろう?ネギ系なんて良いんだがあいにくと持ち合わせがない。次に考えるのは酒。丁度あいているのは赤ワインである。投入。このあたり酒に酔っての所行のような気もする。瞬間、紅芋のような色合いのもやし炒めが出現する。味は結構いけるんだが、バタ臭さは変わらず。ではごま油ではどうか。遅きに失した感はあるが、今からスパイシー中華系に方向転換するという手はどうだろうか?大さじ1杯投入。さらに黒こしょうを探したが手持ちが無く、アジアのスパイスといえば七味唐辛子よ!てなもんで七味唐辛子投入。味見。バタ臭い。ぎゃふん。
ここまでが昨晩→今朝のあらすじ。
仕事から帰る道すがら考えた。バタ臭さを消すにはもう希釈しかないのだ。強烈な匂いを中和するために投入できるものは投入し尽くして、得た教訓は「本来取るべきバランスを欠いたリカバーは所詮付け焼き刃でしかない」というもの。
中野隠れ家に帰りつくなり冷や飯を投入。どんぶり1杯分。そのころにはすでに試食に次ぐ試食でそれだけの量のごはんを潤す汁気がもやし炒め(かつて・だったもの)には無く(もやし炒めに汁気って…まそれだけ水がでちゃって野菜出汁たっぷりだったってことですね)、それぢゃあってことで割り下として牛乳を目分量投入。当初のコンセプトも、途中中華系に舵を切り直した経緯もすべて無かったことにして、もう乳製品系でまとめようとしているわけ。曰く、ちょっと具が怪しい牛乳粥にならないかなー。という淡い期待に対し、牛乳粥もどきは最後のバタ臭さでもって抵抗する。しかしそれはバターごはんか?と言われれば納得できないわけでもない仄かさにはなってきているわけで、バタ臭いバターごはんのような風味の牛乳粥は、匂いを別にすればまあいける味にはなってきている。
そこで思った。バターごはん風牛乳粥なんであれば、醤油かけて喰っちまえばいけるんじゃないかな。いそいそと醤油を目分量かけ、暖めつつ醤油の匂いを堪能。
まんべんなく火が通ったら、もう摂取するしかない。どんぶり1杯分の牛乳粥(エスニックな味付けでボルドーワインが隠し味に入っている。とってもバタ臭い)を喰らう。意外といける。かくしてもやし炒めから始まった壮絶な争いはここに幕を閉じたのでした。ゲップ。