ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

オルセーに行きたしと思えど。

板橋物置部屋に1日ゆっくりしていることが殆どないので、迷惑を掛けてしまっているもののひとつに、新聞の集金がある。
日曜日深夜に帰宅し、さてドアを開けようとすると新聞販売店からのメモが隙間に挟まっている。曰く「先月分の購読料をいただきたいので、連絡ください」。さりとて深夜に電話するわけにもいかず、次の日には雑事に紛れて連絡が後回しになってしまう。大変申し訳ないと思うのだが、かくして滞納は続き、さて取り立てられるときには一時にすくなからぬ額を支払うこととなる。
冬季は特に酷くて、本当に山にばかりいるので、担当はクジでも引くような気持ちで部屋の呼び鈴を鳴らすらしい。1月に志賀に行ったときなど、仕事から帰って来て10分ほど着替えに費やし、さあ出立と勇んでエプロンまで降りたところで、ばったり集金担当の女性に出くわした。
「あ」
と、その人は声を上げ、よかった夢みたい、と嘆息し、去年の分もお願いします、と付け加えた。電車の時間が迫って急いでいたので、その場で旅行代を遣って支払いを済ませた。
そのときを含め、幾度かクレジットカードを使った自動引き落としを勧められたが、手続きをしないままでいる。最近は「木下先生については、もう諦めていますから、お会いできた時で結構です。引越す時だけ、確実に連絡ください」と、とうとう言われるまでになった。その後、こちらから電話を掛けて在宅時に集金に来てもらうようにしたので、販売店との関係は破綻せずに済んだ。このままこの取り決めがうまくいけば、僕も不規則な新聞代の支払いを気にすることがなくなる。
何故、クレジットカードの支払いにしないのか。それは集金担当から貰える展覧会のチケットが魅力だからである。
オルセー美術館展も、そんな紆余曲折の末にチケットを件の女性集金担当から手に入れた(雪遊びの次は美術館ですか?忙しいですね先生、とか言われながら貰いました)ので、無駄にしたくないのだが、終了まで2週間、ここに至って未だ行けていないのである。
来週、どこか平日に仕事をさぼって行こうと思っている。