ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

輪行するとき、何を持っていくか。

目の前には峠道が迫っていて、altitudeメーターは徐々に勾配がきつくなってきていることを示している。こうなるともう逃げ隠れせずに登っていくしかない。アドレナリンが巡りだして大腿四頭筋が盛り上がる。息を大きく吐いて峠の懐を漕ぎ上がっていく。背中にはメッセンジャーバッグ。重さ7kg。ちょっとした山登りトレーニングのウェイトみたいだ。荷台をセットして荷物をくくりつけてくればよかったかな?という考えが頭をかすめる。けれどもう、そんなことを後悔する場面ではない。だって後悔したって後戻りできないのだもの。と泣き笑いしながらハイケイデンスでペダルを回し倒す。これを続ければいつか頂上が見えてくる、はずだ。途中で投げ出さない限り。頭の中ではBig Horns BeeのUha Uhaが大音量で流れはじめる。
「おーい、木下、ちょっとはやすぎるよー」
「はいー。」
「少し休んで飴舐めていいかい」
「いいっすよ。丁度僕も休もうと思ってたところなんすよー」
この土日、帝建の人たちを連れて輪行に行った。ルーティングはずるをしてこないだ恩田君とたどった木曽福島ルートに設定し*1、ペースを思いっきり落として50に手が届かんとしているおっさんを励ましながらふたつみっつ峠を越えた。
その旅行に出る前に話はさかのぼるのである。今回初心者を連れて行くということで、イロハのイから助言したのだけれど、持ち物は何を持っていくか、改めて整理したのでメモ。
僕がパスハンティングするときのセットはこんなだ。
■服装

  • 化繊のシャツ(すぐ乾くものがよい。半袖があればOK。ユニクロの機能性シャツはお勧めです)
  • 短パン
  • ジャージ上下

以上で体温調節します。それより寒ければ雨具装着。暑ければ裸。

  • パッド付きパンツもしくはレーパン 日数分(これは結構な距離走るつもりなら必須!id:fleuretteさんの苦労が解るなー。以前能登半島を自転車で一周したときに普通のパンツで全装備登山ザックにまとめてしょっていった僕は、おしり対策の重要性を痛感したものでした)
  • 靴下 日数分

ちなみに輪行のときは白は避けましょう。油がつくと絶対落ちません。
■装備

  • 雨具(上下セパレートのサイズがぴったりのもの。あおられてバタバタすると意外に体力取られる)
  • ファーストエイド(マキロンと大きな絆創膏、アイスラブジェル、アミノバイタル
  • スペアチューブとタイヤレバー。できればハンディツールセットか、六角レンチセットとスパナ、それとウォーターパイププライヤがあればベター。さらに余裕があればチェーンルーブを持って行くと重宝がられます。
  • インフレータ(事前に動かしてみましょう。長期間使っていないものは固着して動かなかったり、動きがぎくしゃくしてバルブを噛み切ったりします)
  • サイクルボトル(できれば2つ。水とジュースに分けられると何かと便利)
  • チェーンロック(案外忘れる)
  • すそ止め(雨具下半身とか、ジャージ下を着込んだときに必要)
  • ヘルメット
  • サイクルグローブ
  • サックは、なるべく身体に固定できる(ハーネスがしっかりしている)もので軽く、防水のもの。平たく言うとデイパックがあればよし。それにNIKWAXで防水すれば完璧です。僕はオルトリーブのメッセンジャーバッグ(背負うタイプ)を使ってます。ほかにも探すといろいろあるけど、片掛のメッセンジャーバッグはお勧めしません。
  • 行動食。シャリバテ対策に。飴でもチョコでもOK。手軽にカロリーが稼げるパワーバーとかゼリーとかがあるといいです。

■小物

  • タオル(水に濡らして頭に巻いたり、見つけた温泉にすぐに飛び込んだりするときのお供に。薄手ですぐ乾くほうがいろいろ使えます。厚手のスポーツタオルは避けましょう)
  • 洗面用具
  • 日焼け止め(重要。ちりも積もれば何とやら)
  • トランプ(これさえあれば大抵の暇はつぶれる)
  • カメラ(個人的には持って行きません。携帯で撮るか、まじめに撮るなら一眼しょってきます)
  • 爪切り(不思議と旅先で気になること多し。必需品)
  • メモ帳・筆記具(ログを取ると次の輪行で活かせますよ。時間、ルート、景色、ご飯、掛かったお金など)
  • 携帯充電ケーブル。さらにタコ足ソケット持っていくと得点高し。
  • 軍手
  • 予備電池(単3、単4、単5)
  • メガネクリーナー
  • ガムテ(旅行用コンパクト)

■自転車

  • 保安部品はかならず付けておくこと(ライト・リアライト←リフレクタだけじゃないほうがいいです。国道のトンネルとか怖いので)
  • 事前に走ってみましたか?長距離走ると不具合が出てくることがあります。青猫は現在BBのベアリングががたついてます。やばい。
  • 泥除けはあると雨のとき楽。ちなみに青猫はつけてません。
  • キャリアをつけて体の負担を楽にする方がトータルでは長距離走れます。1泊2日だと微妙だけど。

■おまけ−無くてもいいけどあると楽しい−

  • CCDの粉末。カロリーも摂取できるスポーツドリンク。自転車屋で箱買いすると、サイクルボトルがおまけにつきます。うちではドレッシングボトルに使ってます。
  • サイコン。これは良いやつを手に入れると輪行っていうかパスハンティングが格段に面白くなります。ケイデンス・心拍・斜度・速度・消費カロリーがわかるやつで、パソコンに転送がしやすいやつ。PolarのCS400がお勧めです。高いけど。
  • バインディング。好みが分かれるポイントですね。普通の運動靴だと自転車を降りたときに歩くのが楽しい。バインディング装着したものでも、クリートが飛び出ていないタイプだと、散策が楽です。僕は飛び出たクリートの奴で、サンダル持っていく派です。
  • NIKWAX。持っていくものではないけれど、カッパ、スパッツ、スキーウェア、バッグなんでもござれの防水剤。

あとは重量見合いで落としていくんですけど、お尻が痛くなるととたんに楽しくなくなります*2。なるべく軽いものをチョイスしましょう。そうでなければ宿に送るか、重量増覚悟でキャリアをつけます。

なーんてことを能書きたれて、みんなにこれを守らせた。これだけ詳細にリストをつくってレクチャーしたので、自分でもこれに沿ってチェックしていけばいいだろうとたかをくくっていたら、財布を忘れてメンバーにたかる始末。厚いぜ、面の皮が!

*1:初心者には丁度良い峠だと思う。そこそこ大変で、越えられないわけではなく、越えた後の爽快感も、旧中山道の雰囲気もいい。

*2:今回しつこくパッド付きパンツをすすめたのだけど、この辺に理由があります。