ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

暗闇からブラックマン。

チーム木下の若手の仕事がタイムスケジュール的に危険水域に入っていたので、夕方他部署調整を含めてヘルプ。とりあえず軌道修正して、自分の仕事を終わらせたら1930。多少肌寒くなってきたここ数日は、ウィンドブレイカーを着込んで自転車に乗っている。
すでに真っ暗な河川敷を30kmくらいのスピードで流しているとき、全く街灯などの明かりがない区間のカーブ出口で、暗闇から黒いジャージを着たランナーが出てきた。左車線の真ん中をこちらに向かって来たその人は、僕をよけあぐんで道の真ん中でたこ踊りをした。つまりどっちに避けようか決めかねて右に左にスタンスを変えるのである。こうなるともう危なくて脇を抜けるという選択肢はなく、急ブレーキをかけるしかない。恐怖と緊張で、喉の奥で舌が固まり、「うっ」といううめき声が漏れる。
後輪に加重する操作など間に合うはずもなく、青猫は見事にジャックナイフを決めた。後輪が天頂を目指して屹立する。沈没する船の船尾が高々と持ち上がり、スクリューが空転するさまを、なぜか僕は思い浮かべていた。
そしてこらえきれずに、前転した。僕は脳天から地面にたたきつけられ、それから青猫が少し傾いでハンドルから地面に落ちた。
黒いジャージの人は「大丈夫ですか」と声を掛けてきた。大丈夫だと思います、と返事すると、去っていった。
青猫を起こすと、ハンドルが傾いでいるのと、バーテープが破れている位のダメージだった。とりあえず航行に支障は無い。自分の身体は、右手の小指と薬指に擦過傷があり、少し流血しているだけであとは大丈夫そう。
板橋物置部屋に帰り、詳細に調べたところヘルメットが割れていた。サドルも破れてしまっている。4万程度の出費を強いられそうだと思うとすごく理不尽な気分になる。バーテープも日曜日、綺麗に巻いたばかりだったのに。ブルーな気持ちになりつつ予備のバーテープを出してきて巻き直しながら、自分の不備や取るべきだった行動などについて、色々思い巡らせてみる。

  • 僕に不備があった点

暗闇でスピードを出しすぎていたという点は反省すべきだろう。何があっても安全に回避できるスピードで、自分のテクニックを過信しないこと。石橋を叩く位が丁度良いはず。仕事にかかる移動である以上は、慎重すぎるということはない。今回は相手に傷つけることなく、結果として自爆ですんだけれど、これはラッキーと思うところだろう。

  • 黒ジャージについて

暗い、しかも自転車がそれなりの交通量で走る環境で、ライト装備なし、黒色のジャージという目立たない服装で走ることの危険性については、理解して欲しいところ。
しかしこのあたりはモラルの範疇であり、実際人身事故になった場合、責を追求されるのはもっぱら自転車のほうである。それに当事者の立場では、何をさえずっても説得力がない。勢い、自衛について真面目に考えようという方向に向かわざるを得ない。

  • 保安部品の重要性を再確認

当然、ライトも点灯させていたが、もっと光量のある、相手に見つけられやすいものに変えた方が良いかもしれない。
従来、僕は対向車のライトが明るすぎるのは嫌いだった。グレアがひどく、こちらの視界を奪うので危なくてしょうがないのである。しかし今回のようなことがあると、自衛手段として導入はやむを得ない。
ヘルメットについては、これ以上ないという説得力で効果を実感した。身体への損傷が少々の擦過傷だけですんでいるのはヘルメットのおかげである。
そんなわけで、今日はちょっとブルーな気分。この週末はwiggleで買い物です。