ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

解任式答辞。

本日、我々帝都計画建設公社沿岸部派遣班は、災害復興支援の任を解かれ、帝都に戻ることとなりました。
もっとも任期の長い者で昨年の6月から、当地に赴任しております。
着任の際、現地を踏査しました折、我々土木の人間が心血を注いで築き上げてきた街が、市民の安全を護り、生活を支える舞台となってきた街が、お住まいの方々の悲喜こもごもの染み込んだ、愛着のある懐かしい街が、丸ごと消えてなくなってしまっている現実を前に、ただただ言葉を失うばかりでした。
同時に、一刻も早く都市基盤を再整備し、市民のみなさまが少しでも早く生活を建て直す礎とする為に、粉骨砕身、男土木の一生に残る仕事として全力を挙げてこの国難に立ち向かう決意ができました。
総勢16名のスタッフが入れ替わりながら、災害査定業務の支援から始め、国費の確保、災害規模の特定、実施設計の発注及び施工監督業務を行ってまいりました。
季節は炎天の夏から実りの秋、そして厳しい冬を越え、沿岸部にも遅まきながら春の足音がようやく聞こえてくる頃、先日竣工第1号となる施設の検査を終えることができました。
まだ復興は緒についたばかりであり、我々も後ろ髪引かれる思いで帰都するわけでありますが、情報提供や人員派遣等、様々な形で支援を続けさせていただきます。必ずや沿岸部が蘇り、市民の方々が安心して住める街が再生しますこと、信じております。
今後の皆様の益々のご活躍を祈念いたしまして、答辞といたします。
平成24年3月30日
帝都計画建設公社 木下未来