業務ダイアリー考。
神無月も中盤を過ぎ、本屋に行くと日誌の類の特設コーナーが設けられている季節になった。業務ダイアリーを新しく購入するこの機会に、何を考えながら選択したか、メモとしてまとめておく。
- 以前の記録について
3年ほど前まで、業務記録はA4ノートにまとめ、それとは別にB7サイズのノートを使っていた。もともとメモを取るのが圧倒的に不得手だったので、手元に常にメモノートがある状態を作り、メモに慣れるようにしたかった。そこで胸ポケットに収まるB7ノートを活用していた。スケジュールはPDAで管理。Googleがクラウドサービスを始めてからはGoogleカレンダーとそれに連携するスケジュールアプリで管理し、仕事場のパソコンのスケジューラーと連動させていた。
- 問題点
記録が複数の媒体にまたがっており、系統だって整理できないというのが最大の問題。もともとA4のノート使いは学生のときのノート取りの名残で、そのほかの必要性が発生するたびに記録媒体を足していった結果がこの形態だったわけ。その結果、スケジュールと、打ち合わせ記録や、ちょっとしたメモや、私生活上の備忘録などがばらばらに存在するため、突合せが手間だった。また、複数サイズのノートを保存するのはスペースも取る。さらに、B7サイズのノートはその用途上、殴り書きが多く、保存する価値があるのか疑問になってきた。これについては、ミニ6穴のシステム手帳を導入してリフィルごとに見直すようにしてみたのだが、保存の是非の取捨選択が面倒だった。
- 仕事上の必要から見直し
帝都公安本部に出向になった2013〜2014年度は、スケジュール管理に苦労した。セキュリティの関係から職場にwebに接続された端末はなく、LAN環境すらない。複数の部下とペアを組んで対応する業務のスケジュールは常に3ヶ月先までびっしりと埋まっており、変更が生じると調整が大変だった。自分がいないときでもスケジュール調整が可能なように、オンラインでなく物理的にスケジュールを明らかにして、部下がいつでも手に取れる状態を作っておくことにした。またゆっくりと記録のまとめ直しができるような余裕がなかったことから、複数の記録媒体を使うのはもはや適切ではなかった。そこで、スケジュールも、業務用のメモも、備忘録も、すべてをひとつのノートにまとめることにした。
- 大判のダイアリーの使い勝手
当時職場の福利厚生関係組織から配布されていたA4サイズの業務ダイアリーがめっぽう使い勝手がよかったので、1年はそれを使った。スケジュールは見開き月間ブロックタイプで、そこに部下が寄ってたかってスケジュールを書き込む。詳細スケジュールはホリゾンタルタイプのページがあったが、スケジュールというよりはそこに日々の仕事メモを書き込むようにしていた。
B6版やバイブルサイズのスケジュール帳については、小さなスペースに整理して書くことが苦手な自分には合わない。リング式についても同様の理由で合わない。手が大きく、カナクギな文字しか書けない自分にはA4や、少なくともB5のリング綴じでないものが合う。
- 今年使っている業務ダイアリーはこれだった
世の中に出回っている業務ダイアリーはA4サイズが少なく、選択肢が限られている。そこでB5サイズの以下のものを使った。
高橋書店 2015年版手帳 デスクダイアリー B5 No.66
- 出版社/メーカー: 高橋書店
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1.ブロックタイプのスケジュールが6週/月になると5週目と6週目がかぶる曜日が半分サイズになる。
次の月にフルサイズの枠があるよ、という表記があるのだが、1ヶ月を見開きで使いたい向きには半分サイズの日の書き込みスペース不足は気になる。今月はこのページで完結して、次のページは次の月として使いたいのである。
2.歴史年表とか、地図とか、月間スケジュール縦書きのところにある年中行事とか、すぐには必要でない情報が多すぎる。
たぶんこれは偉い人がスケジュールを眺めながら、今日の訓示を考えたり、あるいは原稿執筆するときのよすがにするための情報なのだろうと勝手に推測。読んでいると面白いし、実際この間、イギリスがイタリアの無敵艦隊を破ったのと産業革命とどっちが早かったかを調べたりするのに役に立ったりしたけど(ちなみに無敵艦隊が敗れたのは1588年で、産業革命については1762年のワットの蒸気機関の改良のところに書いてある)、毎日持ち歩く情報かこれ?というものが多い。
- 来年の業務ダイアリーはこれにした
今年の業務ダイアリーの上記の点を踏まえて、選択したのは以下のダイアリーです。
能率 NOLTY 手帳 2016年1月始まり ウィークリー 能率手帳B5 黒 6126
- 出版社/メーカー: 日本能率協会
- 発売日: 2015/09/08
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- 教訓
記録の取りまとめのレベル−記録を急いで取るための殴り書きのメモなのか、思考をまとめるためのアイディアノートなのか、それとも備忘録的メモなのか、を整理・コントロールするのは、時間も手間もかかる。それだったらいっそのこと全部串刺しにひとつのノートでやってしまえ、というのが最近の自分的トレンドである。それが結局、自分にとっては一番効率よく過去の記録にアクセスできる整理法だった。当分このスタイルを続けるつもり。