ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

見つけてしまった!

  • ジュンク堂で鉄道関連の書籍棚を見ていたら、なんと「STBのすすめ・定本準備号」があって、一も二もなく買ってしまう。STBってSTation Bivouac、つまり駅寝のことです。山男とかチャリダーとかライダーには比較的一般的スキルで、バイカーかつ元チャリダーかつ元山男かつ野宿好きな私としては気になる本だったのだけれど、「STB全国友の会」はまだ存続しているんでしょうか?インターネットアーカイブの手を借りると、どうやら2004年までは活動していた形跡が有るのだけれど…
  • 本屋の店頭に並んでいたそいつは、2000年に発行されている初版本です(とはいえ重版されたとも思えないのだが)。とりあえず背表紙がすでにほつれかけている。私と同じ興味を持っている方が何名も立ち読みして買おうかどうしようか逡巡した結果がこのやつれ具合なのでしょう。
  • でも買って損は無かったです。たとえばぺらっとめくった陸羽東線の記述を読んでみましょう。「小牛田から鳴子行き普通で入る。終着がとりあえずの目的地である気安さと、駅のコンビニで買ったシーナの『怪しい探検隊、北へ』が面白すぎて涙が出たりで、駅はあまりチェックしていない。大した駅もなさそうだった(無責任な!)。昨夜陸中海岸は雨で積雪ゼロだったのに、ここでは窓の外のまだら模様が、ジグソーパズルのようにだんだん真っ白に完成していくのが分かる。雪国の湯治場という風景ができあがって、鳴子。鳴子からの鳴子峡は風景絶佳、堺田=サミットをはさんで数駅がおすすめ。(93.3 ど)」こういう手帖書き込み的記載が300ページoverの分量にびっしりです。
  • この感じ。不安で無銭な一人旅をやったことがある人間にはたまらない感傷と旅情を引き起こすのです。小さなコッヘルとポリタン、コーヒーと非常食とそこそこの現金。シュラフシュラフカバー。最低限の着替えとタオル。ひげ剃りと歯ブラシ。雨具。丈夫で上等な、たっぷりミンクオイルを染ませた、使い込まれた靴。これだけ有ればたいていの一人旅は何とかなるのでした。

参考:WikipediaにおけるSTBの記載