ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

読 書

秋だからというわけではないのだけれど。

九州に旅行してからこのかた、何故か読書がはかどるようになった。興味の赴くままに読み散らかすのは以前と変わらないのだけれど、読書量が3倍に(当社比)。何が原因かはわからないけれど、それだけ心に余裕ができたということなのか、あの旅行がいいターニ…

神様は、優しくしてくれる。

アメリカ人が、少女の頭越しにしばらく川面を見つめていた。「泳げるかな?」 「泳ぎは得意です」答えるクリスチーナの声に、疑いようもない自信が響いた。「学校では選手でした」 脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち (ヴィレッジブックス)作者: ス…

紙分補給。

甘いお菓子的に欲した昨日のラインナップ。よつばと! 10 (電撃コミックス)作者: あずまきよひこ出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2010/11/27メディア: コミック購入: 29人 クリック: 1,250回この商品を含むブログ (391件) を見る一年振り…

幸田文「父・こんなこと」

骨太の文章。体験に即した細やかな心の移ろいを記した文章は折り目が立ってカラリとしている。幸田露伴を軸として様々に展開する、絵解きのような日常の諸々と、圧倒的な父を前にして反発したり畏れたり、愛惜に震えたりする子の心。 僕が知っている幸田露伴…

「海嶺」読了。

久しぶりにのめり込む。っていう話は昨日も書いたけど、こんなにのめり込んだのは久しぶりだった。三浦綾子って、カトリックの作家のイメージがすごくあって、僕もカトリックと言うバックボーンもあったりするので、押しつけがましいキリスト教の話ってあま…

さあ、出発だ。

音吉達との旅は続いている(→2009/10/21)。フォート・バンクーバーからイーグル号に乗り、サンドウィッチ島に寄港し、灼熱の赤道直下を抜けてホーン岬へ。べた凪や、索具すべてが凍り付くような極寒を経験しながらロンドンに向かう。イーグル号は軍艦で、当…

ドリフト・シンドローム

「木下先生」 「…」 「先生ってば!」 「ああ、中目黒君か。ちょっと静かにしていてくれたまえよ」

たくさんのイブン。

中世のムスリムが書いた旅行記を読みはじめたのだけれど、イブンだらけでわやくちゃ。ヴォルガ・ブルガール旅行記 (東洋文庫)作者: イブンファドラーン,家島彦一出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2009/09/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品…

どうしても惹かれてしまう

邂逅の森 (文春文庫)作者: 熊谷達也出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/12/01メディア: 文庫 クリック: 25回この商品を含むブログ (54件) を見る阿仁マタギの物語。山入りの前には必ず水垢離を取ることとか、捕った獲物を前に山の神に向けた呪文を唱える…

昔と今、今と、昔。

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録作者: V.E.フランクル,霜山徳爾出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1985/01/23メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 101回この商品を含むブログ (120件) を見る今更のように内容について言及することがためらわれる名著…

コンプレックスとモノの見方

船に乗れ!〈1〉合奏と協奏作者: 藤谷治出版社/メーカー: ジャイブ発売日: 2008/10/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 129回この商品を含むブログ (82件) を見るid:splash06さんのところで見かけて購入。これはもう、演奏シーンの盛り上がりが描きたかっ…

「一夕観」

「月は晩(おそ)くして未だ上るに及ばず。仰いで蒼穹を観れば、無数の星宿紛糾して我が頭にあり。顧みて我が五尺を視、更に又内観して我が内なるものを察するに、彼と我との距離甚だ遠きに驚ろく。」この寂寥感! 北村透谷。浪漫を捕まえ、紙の上にインクと…

ラノベ

中毒の友達が、まずこれを押さえるべし!といって西尾維新「クビキリサイクル」と上遠野浩平「ぼくらは虚空に夜を視る」を貸してくれる。本を借りる感覚が久しぶりだったのでうれしい。しかし言語表現過多な文化系高校生の友達ってかんじなのなラノベって。

最近気になった一節。

キャロル・アドリエンヌ「人生の転機」 作者の肩書きは「作家、数秘術学者、スピリチュアル・カウンセラー、ライフ・コーチ」となっており、何というか、何某かが匂う御仁なのだけれど、ブックレビューに書いてあった次のフレーズに引っかかった。 「どのよ…

中原中也全訳詩集を読んでいて

ランボオの「酔いどれ船」。第8節。 私は知つてゐる稲妻に裂かれる空を竜巻を/打返す浪を潮流を。私は夕べを知つてゐる、/群れ立つ鳩にのぼせたやうな曙光(あけぼの)を、/又人々が見たやうな気のするものを現に見た。 同じ第8節を福永武彦が訳すとこうな…

見つけてしまった!

ジュンク堂で鉄道関連の書籍棚を見ていたら、なんと「STBのすすめ・定本準備号」があって、一も二もなく買ってしまう。STBってSTation Bivouac、つまり駅寝のことです。山男とかチャリダーとかライダーには比較的一般的スキルで、バイカーかつ元チャリダーか…