ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

5月になって、新職場にもなれてきたわけだが。

ここんとこ携わっているプロジェクトのコアは某街区の"イタリア街"で、そこのデザインコンセプトはイタリアだから、輸入した石畳を丁寧に敷き詰めるっていう維持管理にも通行にもあまりよろしくないことが街区デザイナーのもとでやられている。で、そこにオープンカフェとかが出店したりして、昼飯が1500円で提供されていたりするんである。
こういうの非常によろしくない。街の機能のある一面のみに注目しクローズアップした、陳腐な事例である。どこかの商業施設のアトラクションでオープンセットが組まれるというのとは訳が違う。それは商業施設がもうけのためにすることだから、何も言うことは無いです。日本の街の中にいきなり理由なくイタリア街が現れる。この異質性。
一般のイタリア街を否定するつもりはない。ブロンクスやらボストンやらシカゴやらサンフランシスコやらのリトル・イタリーはそこに移民がコロニーを作って住んだから出来たんであって、ちゃんとイタリア街たる必然性があるわけ。同じようにチャイナタウンもそうだし、ホイアンとかにある日本人街だってそうだよね。
以前、ショパンマズルカというのはポーランドの民族舞踊をアレンジしたものだと教わった。それがどのような曲であるかを理解するために、習っていたピアノの先生はポーランド舞踊の研究をしたそうな。深く考えると、21世紀の日本に生きている日本人の僕が、ポーランドの舞踊音楽をどう表現するかってすごく難しかった。必然性やら蓋然性みたいなものがなかなか捉えられなかった。バックグラウンドを持たないものの陳腐さ軽薄さが耐えられないのだ。
それが街という単位であればなおさら。街区の角にひっそりと押し込められた日本茶の販売店がその理不尽さを物語っている。
で、話はニューオリンズに飛ぶのね。8年前に行ったことがあるのだが。

フレンチクォーターって、マルディグラ(謝肉祭)と、ジャズ発祥の地らしく生演奏を聴かせるクラブで出来ている街区である。こういうところに行くと俄然CD屋に行くのが楽しくなってしょうがない。大量に買い込んできたもののなかの一枚がRebirth Brass Bandで、これに今さらはまっているわけであります。この音楽がここにある必然性みたいなものに、疑いを挟む余地がない。そんな音楽だから、上のようなフラストレーションを抱えつつ仕事をしている僕にぴったりなのかも知れないと思う今日この頃。
あとThe Wild Magnoliasも素敵です。この人たちは一年中マルディグラだもんね。
http://video.google.com/videoplay?docid=-8118902156316461137