ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

中目黒君の成長。

「木下先生」
「なんですか」
「昨日までできなかったことができるようになった僕は、成長したと言っていいのでしょうか?」
「なんだい藪から棒に。一体なにができるようになったんですか」
「部屋掃除をしました。それから洗濯物をたたみました」
「気分や考えが変化したことを成長って思い込む人と比べて、実際体をうごかして物理的実績を出したという意味では、僕好みな考え方だ。それに掃除も片付けも、両方大事なことだよ。しかしね、成長だねー、っていまひとつ同意しかねるんだな。かといって否定もできないんだけど」
「なんでですか?」
「もうちょっと、歳相応の成長ネタってないのか」
「あと、日記をつけました」
「…君はひとり暮らしを始めたばかりの乙女な大学生か何かか中目黒君」