ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

うつろいのいろいろ。

水曜日。馬場ちゃんとの貸し借りを、多少アクロバチックな会計処理で精算。来週にはまたひと山ありそうなので、多少上積みして備える。馬場ちゃんは苦笑いしながら「またやるの?」と言うのをこちらも渋面で「そう、またやるわけ」と応える。
北山お祝い?会は盛況だった。人形町に美味しい魚と日本酒のお店を見つけて、急ごしらえながら和やかな宴。美樹武君と北山の恩師が柔らかい顔をして杯を重ねられるのがとても良かった。あるプロジェクトで僕もお世話になったことがあるこの人のところへ、僕はよく直談判に行っては叱られたりおもしろがられたりし、それは帝建の中ではイレギュラーなやり方だったから、当時のオールドファッションなクソ上司には怒られに怒られた。その当時の話を引いて、「君は優しい人だな」とのお言葉を賜る。正直微妙である。当時のシュトルム・ウント・ドランクのなかで、何人かが弾かれて何人かが病に倒れた。そのぎりぎりの中で僕はかなり汚れた仕事をしていたと思う。いろいろあるけれど、今は惚けた生活をして糊口を凌いでいる。果たしてそれが佳いことなのか判じかねるうちに少し飲み過ぎ、多少ぶっきらぼうに北山を扱ったら瞳を覗き込まれる。小野ヶ森さんと阿南は用事で来られず、あとは志摩が来た。
金曜日。夜に久々のDVD観賞。ジャン=ジャック・ベネックスの「DIVA」。どうにもぬぐい去れない80年代のお洒落な映画臭さは差し引いても、全編に満ちる夜の香りが素晴らしい。主人公とヒロインのデートシーン、ヒロインが傘を差し、お互いあさっての方向を向いて座っている絵が綺麗で。上條淳士の「TO-Y」で、TZRに乗る冬威をはじき飛ばした後、「それに俺、あいつ嫌いだ」って言ったドライバーの元ネタがドミニク・ピノンだったのを今更のように確認する。

ディーバ -ニューマスター版- [DVD]

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土曜日。朝からバーベキューにかり出され、やはりしたたかに酔う。帰りしな、電車で隣に座ったイタリア人の親子がiPhoneで遊んでいるのを本を読みながら見るともなく見ていた。父親が手ほどきしようとするのを疎ましく思ったらしい子供が、親の手を振り払うのが可笑しく、思わず声を出して笑ってしまったら、電車を降りる際にciaoと声をかけられ、手を振られる。こちらも振り返す。
家に帰り、さすがに身体を動かしたくなり、青猫にまたがって散歩をする。遠出をするつもりは無かったのだが、ゆっくりと川越街道を上るうちに段々と遠くに行く気分になり、池袋を越え、新宿を過ぎ、渋谷まで明治通りを流す。ハートレートモニターをつけなかったせいで消費カロリーは記録できなかった。2時間。帰ってからシャワーで汗を流し、岩井俊二の「FRIED DRAGON FISH」を観る。芳本美代子が可愛い。「ヒラメ!ヒトデ!ウミヘビ!」からの、ナツロウとプーが寝転がってマーラーを聴く、お互いが恋していることに気づくシーンとかもう。もう!
岩井俊二には、こういう深夜ドラマをまた撮って欲しい。深夜ドラマが好いのだ。
昨日から街乗りバイクが活躍する映画ばかり観たことに気づく。
FRIED DRAGON FISH [DVD]

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