ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

こんな夢を見た。

みどりが濃いベランダである。
ボリュームのあるイワヒバの鉢が吊ってあって、何か甘い汁でも出ているのだろうか、ハチドリが群がっている。
涼音が青猫のフレームを雑巾がけしている。白い腕がときたま緑色に見えるのは、周りの緑が映えるのか、それとも静脈が透けているのか。青っぽいTシャツを着た涼音は景色の一部みたいだ。
まるでルソーの絵みたいに。
なんてことを考えている僕は、窓のこちら側、薄明かりがベランダからやってくるキッチンで、ホットケーキを焼いている。普段使いのフライパンは適度な重さで、フライ返しを使わなくても空中で裏返すのが面白いほど決まる。
隣の鍋でコンソメを温める。そしてバジルを刻む。
そのふたつを、
出来上がったホットケーキにたっぷりとかけて食べた。涼音とふたりで、美味しいね、と言い合いながら。
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「絶対、不味いと思います」と梨元さん。田端での折衝の帰り、山手線でふたりして爆笑していた。
この春の異動で隣のバックアップチームのリーダーになった彼女は、僕のフォワードチームと組むことが多い。結婚式の二次会みたいな可愛らしい服装で折衝に臨む。相手が拍子抜けして交渉が纏まるのが面白い。