ひみつ基地

ひみつ基地暮らし。

秋だからというわけではないのだけれど。

九州に旅行してからこのかた、何故か読書がはかどるようになった。興味の赴くままに読み散らかすのは以前と変わらないのだけれど、読書量が3倍に(当社比)。何が原因かはわからないけれど、それだけ心に余裕ができたということなのか、あの旅行がいいターニングポイントになったということなのか。

偽書「東日流(つがる)外三郡誌」事件

偽書「東日流(つがる)外三郡誌」事件

様々な要素が偽書だと示しているのにも関わらず、作成者および擁護者が最後までそれを認めない。裁判所もこれを原因にして起きた名誉毀損等についてはジャッジするけれど、そもそもこの文書自体が偽書か否かについては判断をしないという。僕的にツボだったのが、上岡龍太郎が擁護派だという事実。パペポTV以来、上岡氏の飄々とした、かつ粘りのある喋りのファンなのだけれど、あの立て板に水の口調で東日流外三郡誌を擁護されたら、果たして僕はどう判断するのだろうか、というところに興味がわく。
バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)

バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)

大泉洋主演の映画を観て、面白かったので原作に興味が行った。キャラクター造形や舞台となる街の書き込みが緻密になる分、小説で読んだ方が面白いかもしれない。円山ダイナマイト栽培のくだりとか、ケラーの従業員がひとりだけじゃなく、しかも映画よりもキャラクターが立っていることとか、探偵物語ばりの濃い、とっちらかった世界を表現出来そうという意味で小説に軍配を上げる。あと映画のヒロインが小雪だったのも僕の好みと合わないというところで小説贔屓に荷担した(笑)。
森山中教習所 (ビッグコミックス)

森山中教習所 (ビッグコミックス)

徹底的に破綻した家族、というのがマイナスとして働くのでなく、それが当たり前じゃん。そっからどうするかは勝手じゃん。っていうスタンスの主人公、清高くんとその相方、轟木くん。そのからっからのドライ感がぬぐい去ることを拒否する強烈なベーストーンになっていて、その上に重ねられるのほほんとしたひと夏のエピソード。恋愛すらちぐはぐで脱力した結果にしかならない、諦観とも達観ともつかない独特の説得力。久々漫画読んで充足した気分になった。